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【最新版 (2017年7月時点)】今こそきちんと知っておこう!世界の核兵器の数 保有国 ランキング

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核兵器と聞くと、多くの人は72年前に広島と長崎に落とされた原子爆弾のことを思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、残念ながら核兵器の問題は今なお我々にとって身近な問題であると言わざるを得ません。

今日9月3日の昼過ぎに北朝鮮がこれまでで最大規模となる6回目の核実験を行いました。今年に入ってから、北朝鮮は弾道ミサイルの発射も繰り返しており、7月5日には、北朝鮮が初めてアメリカ本土にまで届くICBM(Intercontinental Balistic Missile, 大陸間弾道ミサイル)の発射実験に成功したと発表したことが伝えられました。北朝鮮による核兵器の開発と、その運搬手段であるミサイル技術の開発は、日本や周辺地域の国々にとってのみならず、国際社会にとって大きな脅威となってきています。

ここでは、そんな現実の脅威である核兵器の問題について、信頼できる専門機関が出した最新の資料を元にして、世界の核兵器国の保有数をランキング形式で紹介したいと思います。

 

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核兵器の保有数ランキング

核不拡散条約(Nuclear Non-Proliferation Treaty, NPT)に定められた核兵器国(アメリカ、ソ連/ロシア、イギリス、フランス、中国)と、事実上の核保有国(インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮)合計9カ国が保有する核弾頭数を示しています。カッコ内には、SIPRI年鑑(2016年版)*1のデータに基づいた推定保有数を参考として示しています。

 

第9位 北朝鮮 約10~20発(約10発)

北朝鮮は、2006年、2009年、2013年、2016年(2回)と今年9月3日の合計6回の核実験を行い、核兵器の開発を進めてきました。寧辺(ヨンビョン)の原子力施設で生産された使用済み燃料から分離されたプルトニウムを使った核兵器を、現在では10発〜20発程度保有しているのではないかと考えられています。 一方で、北朝鮮の高濃縮ウランの保有量やその製造技術についてはほとんど知られていません。いずれにせよ、北朝鮮は今世紀に入って唯一核実験を繰り返している国であり、急ピッチで核兵器の開発を進めていることは間違いありません。冒頭でも述べたとおり、ミサイル開発と合わせて国際社会にとって大きな脅威となっています。

 

第8位 イスラエル 約80発(約80発)

イスラエルは長年にわたって、核兵器を保有しているとも保有していないとも明らかにしない曖昧な政策をとってきました。その背景には、複雑な中東問題に起因する安全保障上の計算があります。1970年代には当時核開発を進めていた南アフリカと共同で核実験を行ったとの噂もありますが、詳しいことはよく分かっていません。現在、推定される核兵器保有数のうち、約30発は爆撃機から投下する自由落下型の爆弾で、約50発は中距離弾道ミサイルで運搬する核弾頭と見られています。 

 

第7位 インド 約120~130発(約100~120発)

インドは歴史的に対立関係にある中国を念頭に核開発を行ってきました。最初の核実験は1974年と古く、その後パキスタンとの対立が先鋭化する中で核兵器の開発が進められ、1998年には複数回の核実験を行いました。インドは核兵器の保有数に関して公式には発表していませんが、推定される核兵器保有数は2016年に比べてわずかに増加していると見られています。 また、運搬手段となるミサイル能力の向上を進めるとともに、核兵器の原料となる核物質の生産も増加させていると考えられています。

 

第6位 パキスタン 約130~140発(約100~130発)

歴史的にインドと対立関係にあるパキスタンは、1998年にインドが核実験を行ったのに対抗して複数回の核実験を実施しました。インドと同様、パキスタンの核兵器保有数も、2016年に比べて若干増加していると見られています。また、パキスタンもミサイル能力の向上と核物質の生産能力を高めていると見られるため、インドとの間での緊張関係が今後高まることが懸念されています。また、パキスタンの核開発は北朝鮮の核開発とも関わりがあると考えられており、こうした世界規模の核拡散の問題が国際社会の安全保障において大きな課題となっています。

 

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第5位 イギリス 約215発(約215発)

イギリスはアメリカとともに早くから核開発を進めた国の一つですが、近年は財政的な問題もあり、核戦力の縮小に傾いてきています。現在、イギリスの保有する核兵器のうち約120発が運用可能な状態にあると見られています。すでに配備されていない核兵器も含め、2020年代中頃までには180発までその数を減らすことが計画されています。

 

第4位 中国 約270発(約260発)

中国では現在、陸上および海上配備型の核兵器が運用されていると考えられています。NPT上の核兵器国の中で最後に核兵器を開発した中国ですが、現在は備蓄核兵器の近代化を進めています。また、核弾頭の数も次第に増加してきていると見られることに加え、運搬手段であるミサイル能力の向上も進めており、こうした動きが日本を含む東アジアでの緊張に繋がることが懸念されています。

 

第3位 フランス 約300発(約300発)

フランスは中国と同じく、1960年代になってから核兵器を開発した後発組の核兵器国と言えます。フランスが保有する核兵器はほとんどが配備されており、フランスの戦略核戦力の中心は潜水艦発射型のミサイルです。この他に、攻撃機から発射される核ミサイルも配備されています。核兵器の保有数は、ここ数年変わっていないと見られています。

 

第2位 アメリカ 約6,800発(約7,000発)

アメリカの核弾頭は、オバマ政権期に行われた単独の削減により、2016年から減少しました。約6800発のうち、約1800発が配備、約2200発が備蓄、残りの約2800発はすでに退役し解体を待つ状態と見られています。一方で、アメリカは2017年からの10年間で45兆円を超える額をつぎ込んで核兵器と関連施設の近代化を進めており、これは核なき世界を目指していたオバマ政権の政策と矛盾するとの批判もあります。トランプ政権はまだ詳細な核戦略を明らかにしておらず、今後、核軍縮の流れがどのような方向に向かうのかが注目されています。

 

第1位 ロシア 約7,000発(約7,290発)

アメリカに続いて核兵器を開発したソ連/ロシアは、世界で最も多くの核兵器を保有している国として現在に至っています。ロシアの核弾頭は、約1950発が配備、約2350発が備蓄、約2700発が退役して解体待ちのものと見られています。また、配備中と備蓄中の核弾頭には、約2460発の戦略核と、情報は公開されていませんが、約1850発の戦術核が含まれていると考えられています。運搬手段である弾道ミサイル、潜水艦や爆撃機などは、ソ連時代のものからの近代化が進められてきています。

 

世界全体の核兵器数

全世界の核兵器の総数は、約14,935発(2016年3月時点では、約15,350発)となっています。

国際的な核軍縮に比較的熱心であったオバマ政権と比べると、トランプ政権の核軍縮に対する関心は必ずしも強いとは言えないように思われます。また、今年6月からニューヨークの国連本部で第二会期が始まった核兵器禁止条約交渉会議では、禁止条約の採択に向けて積極的な非核兵器国と、消極的な5核兵器国などとの間の溝が埋まらないまま採択に至りました。

核兵器国が保有数を減らす核軍縮に関して、こうした核兵器国と非核兵器国の対立が先鋭化している一方で、北朝鮮はこれまでで最大規模となる核実験を行うなど、核兵器の拡散の問題は国際社会にとって喫緊の課題となっています。核軍縮と核不拡散の問題は今、一進一退の大きな曲がり角に立っていると言えます。

 

データについて

SIPRI Fact Sheet (July 2017) "Trends in World Nuclear Forces, 2017" 

2017年7月3日、ストックホルム国際平和研究所(Stockholm International Peace Research Institute, SIPRI)から、2017年の世界の核兵器の状況に関する報告書が出されました。同研究所は、2016年にペンシルベニア大学が発表した「世界シンクタンク報告」で、米国外にある世界のシンクタンクのランキングで16位に位置付けられている、国際平和や安全保障の分野において世界トップクラスの研究所の一つです。今回のランキングは、SIPRIが毎年出している世界の核兵器の状況に関する報告書の最新版である上記報告書のデータを用いています。

 

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*1:SIPRI Yearbook 2016: Armaments, Disarmament and International Security (Oxford: Oxford University Press, 2016